今回は、~IPパケットの流れを知れば、ネットワークがわかる。~シリーズの第二弾となります。
普段、僕たちのパソコンからどのようにデータが送られて、どのようなプロトコルを使っているのかを説明していきます。今回は、ちょっとした例として、「家のパソコンからインターネットを見るとき」というシチュエーションでみていきます。
まず、パソコンは宅内のネットワークであるLANにつながっています。そこから、インターネットに出ていくためには、自分自身のIPアドレスが必要になります。
これは、個人が登録しているプロバイダーからDHCPというプロトコルを使って自動で割り当てられます。また、ここで言うIPアドレスとは、インターネットに出ていく必要があるため、グローバルIPアドレスということになります。
次に、目的地のIPアドレスを調べる必要があります。ブラウザから「http://www.sample.com」のようなURLを入力して、ホームページを見る場合、「www. sample.com」というのはドメイン名といいますが、DNSというプロトコルを使って、このドメイン名から、宛先IPアドレスを調べることができます。
つまり、「www. sample.com」は「201.19.10.1(例)」です。ということを教えてくれます。
これで送信元IPアドレスと宛先IPアドレスが分かりました。
これで後は送るだけと思うかもしれませんが、これでは、目的地までの“経路”がわからない状態です。
だから、次に、最初にパケットを送る相手を調べます。
インターネットの世界にいくためには、デフォルトゲートウェイに送らなければなりません。
デフォルトゲートウェイとは、別のネットワークにいくための橋渡しとなる機器のことです。つまりデフォルトゲートウェイとなる機器はルーティングを行います。(主にルータがこれに当たる。)
ちなみにデフォルトゲートは予めPCに登録して置きます。(DHCPで自動的にIPアドレスを割り当てる際には、デフォルトゲートウェイも同様に自動で割り当てることが可能です。)
デフォルトゲートウェイまでの経路は、OSI参照モデルでいうところのL2(Layer2)に当たります。L2とはデータリンク層です。この段階では、パケットはEthernetフレームに包まれて運ばれます。また、送信元と送信先として、MACアドレスが使われます。
しかし、初めてデフォルトゲートウェイにパケットを送る際、デフォルトゲートウェイのMACアドレスはわかりません。
そのため、MACアドレスを調べるため、「ARP」というプロトコルを使用します。
このプロトコルは、「IPアドレスからMACアドレス」を調べることができます。そして、ARPテーブル(パソコンやルータが持ちます。)に保存します。
よって、パケットはデフォルトゲートウェイまで到達できます。また、ARPテーブルに保存にIPアドレスとMACアドレス一覧を保存することによって、次回から、ARP要求しなくても、パケットを目的地まで運ぶことができます。
ただし、ARPはネットワークを超えて運ばれることはないので、違うネットワークにいくためには、必ずルータなどの機器でルーティングされる必要があります。
また、しつこいようですが、そのような機器がデフォルトゲートウェイになるということです。
→ 次回は、「どのように通信事業者のネットワークを通って、目的のWebサイトに到達するのか。」を説明します。
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